一般社団法人
障害者・高齢者3Dプリンタファクトリー
医療法人社団 福啓会
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リコージャパン株式会社
XYZプリンティングジャパン株式会社
NPO法人施無畏Co-Co Life ☆女子部

これまでの取り組み

障害者・高齢者3Dプリンタ・ファクトリーでは、福祉事業所に3Dプリンタを導入する活動を先駆的に行ってきました。「こんなものをつくってほしい」というニーズを全国から集め、障害のある人や高齢の人が3Dモデリングを活用してそれに応じていく。そんな職業を成立させたいという想いから、つくり手を育てるレクチャーを実施するほか、福祉の現場からのニーズを拾い上げようと取り組んできました。

2019年度の取り組み

東京、高松、島根、大阪などの医療・福祉系の現場、イベントや講演会などに「不便改善グッズ置きBOX」を設置すべく、プロモーションを実施。ニーズを収集すると同時に、メディアを通じて活動の発信を行いました。また、特別支援学校にもヒアリングし、ニーズを実現するために3Dモデリングを活用しながら、複数企業の協力を得て出力に対応。このほか、ネットショップもオープン。

課題と展望

「将来的なビジョン」と「いま、すべきこと」を明確にし、新たな取り組みとしてネットショップをオープンさせました。想定しているニーズは実際のマーケットに適合するのか。潜在的なニーズを顕在化させることはできるのか。収益事業として発展させることは可能なのか。といった点を、運営を通して検証していきます。

Topics

01 ダイバーシティな仲間と3dp Fun! Shopを開設

「あきらめない想い、カタチにします。」をテーマに3Dモデリング代行サービスを開設しました。始動前の2020年1月からSNSで一般市場向けプロモーションをはじめたところ、問い合わせを獲得。その後アシストグッズやサインジュエリー、カップホルダーなどさまざまな製品を展開させました。今後は、全国の特別支援学校、福祉施設・事業所などにも周知をはかりたいと考えています。

02 3Dプリンタ企業などとの連携・協業が実現

リコージャパン株式会社の協力のもと、島根に設置した「不便改善BOX」から生まれたグッズ10品の3Dプリントを実施。ほかにも、アサヒビールのプロジェクトでXYZプリンティングジャパンの協力を得て、カップホルダーの試作品出力を行いました。また、こころのバリアフリー&ビューティーマガジン『Co-Co Life Joshibu』との協業も実現。さまざまな企業や団体との連携を深めています。

03 当事者から生まれる「カタチ」と「あきらめない気持ち」

ある車椅子ユーザーが「ドアを開けるための自助具」を3D出力。この経験から得た学びはふたつあります。ひとつは「当事者にしか表せないかたちがある」こと。その「かたち」は、不要な部分や余分があったとしても、その人には重要なものになります。ふたつめは「あきらめない気持ち」を大切にし、「こんなものがあったらいいのに」という想いを持ち続けること。これらが実現していく場面に出会えるのを楽しみに、活動を継続していくことが大事だと考えています。

Voice

障害者・高齢者3Dプリンタファクトリー スタッフ

東京、香川、島根、大阪、北海道、兵庫と仲間が増えてネットワークが広がっています。3Dプリンタはいろいろな人の声や希望を形にするひとつの手段。地域のなかで暮らす障害のある人たちが、地域とともに生きる社会の実現にもつながります。「まだ世の中に出ていないものをつくるなんて無理だ」と思いがちですが、3Dプリンタを通して「あきらめないで」と伝えていきたいです。

XYZプリンティングジャパン株式会社 社員

3Dプリンタが、手作業でのものづくりをすることが難しい人を補助する役割を担うことを改めて実感。また、障害のある人の目線でモデリングされたデータだからこそ、当事者や社会に受け入れられるのだということも感じました。3Dプリンタを通して、肢体不自由のある人の支援具や教材をつくるなど、もっと大きな可能性を見出すことができればと思います。