はじめに

一般財団法人たんぽぽの家が主宰し、各地でスタートした障害福祉×現代技術(特にIoTとFab)の実験的な取り組み「IoTとFabと福祉」。2017年度は山口、福岡、岐阜、奈良を舞台に障害のある人の個性を生かし、はたらきやすく・心地よい環境をつくるため“ 福祉と技術の関係づくり”を進めています。
本サイトでは、各地域の福祉施設と、IoT・Fabに関わるエンジニア、デザイナー、クリエイターが協働した、現在進行形の活動を紹介。一方的な関係性ではなく、それぞれの期待と不安を一緒に考えながら技術の活用方法を探っています。各地で行われている実験と実践、そして現場から生まれる小さなアイデアの種をぜひご覧ください。

2017年度の流れ

本プロジェクトは、4月から各地域の福祉施設見学やヒアリング、
講座への参加などを重ね、9月より本格的に活動を開始しました。

奈良

デジタル工作機械によるものづくり

体制:社会福祉法人わたぼうしの会、 Good Job! センター香芝

山口

福祉と技術の信頼と関係づくり

体制:社会福祉法人大和福祉会 周南あけぼの園、山口大学 国際総合科学部、ファブラボ山口、山口情報芸術センター[YCAM]

福岡

デジタルメイカーを育てる

体制:一般社団法人生き方のデザイン研究所、北九州イノベーションギャラリー[KIGS]、デジタル工房、NPO法人まる/工房まる、九州大学 大学院 芸術工学研究院

岐阜

ケアとしごとに活かす

体制:社会福祉法人いぶき福祉会、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]

「IoTとFabと福祉」が生まれるまで

奈良からはじまった本プロジェクトには、その前史となる試行錯誤がありました。
illustration: スケラッコ

2011年

活用方法が見出せず、Fab機器を持て余してしまう

2011年、実施した「尊厳のためのデザイン デザインリサーチプロジェクト」で協働したデザインリサーチャー水野大二郎さん(現・慶應義塾大学環境情報学部准教授)が「福祉の世界でも、デジタルファブリケーションは活用できますよ!」と小型のカッティングプロッターを持ってきてくれる。が、うまい使いこなし方がまったく想像できず……。

Good Job! センター香芝スタッフ

藤井克英さん

なかなか自分たちの仕事づくりとデジタル工作機器との接点を見出すことができず。気づけば、放置してしまっていました(笑)。でも、こういう状態にある施設って、意外と多いのではないかなと思います。

2014年〜

デジタル機器を駆使し、新たなものづくりを実践

中川政七商店からの相談で、新たな奈良みやげとして郷土玩具の張り子「鹿コロコロ」を制作。「木型職人が減少し、張り子がつくれない」との悩みに対し、3Dプリンタと手しごとを融合させる方法を考案した。障害のある人の立体作品やイラストを生かし、IoT やFabに詳しい技術者やデザイナーと協力し、「Good Dog」をはじめ、さまざまな商品開発を展開!

Good Job! センター香芝スタッフ

藤井克英さん

はじめてFab機械を導入した際に、「レーザーカッターは虫めがねで光を集めて焦がすのと同じ仕組みなんですよ!」と、レクチャーを受けたことで、とても身近に技術を理解することができました。

2017年〜

IoTとFabの可能性を感じ、さらなる取り組みをスタート

「Good Dog」を受注(2000個!)するなど、張り子づくりが本格的な仕事に。3Dプリンタを貸し出し、5ヶ所の福祉施設で製造レシピをシェアしたネットワークも生まれてきた。一方、「Fabだからこそ実現できるものづくり」や「IoTを活用した仕事づくり」など無限に広がる可能性を感じている。さらなる実践と試行錯誤を続けるべく、プロジェクトが始動!

たんぽぽの家スタッフ

小林大祐さん

2017年より「IoTとFabと福祉」プロジェクトを始動。IoTやFabの技術・ツールについての勉強会、全国4拠点での福祉施設×技術者によるプロジェクトを通して、ともに考える状況が生まれています!