NPO法人まる 工房まる
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九州大学大学院芸術工学研究院

2017年度の取り組み

デジタルメイカーとして、障害のある人が3D モデリング技術を体得するための演習ワークショップを開催し、3Dプリンタのセットアップや、キャラクター・機械部品などのモデリングを実施。テクニカルスタッフの技術支援に頼る部分が多くなるため、3Dモデリング以外のデジタル技術活用を見直し、障害のある人や福祉施設が主体的に活用できるデジタルツールの検証が必要となりました。

2018年度の取り組み

3Dプリンタに比べてモデル設計が簡易なレーザーカッターへとデジタルツールの変更を試みました。レーザー加工を外注した経験を生かし、福祉施設で設計データ作成と機材操作を行い、内製できるプロセスを重視。障害のあるメンバーの表現を生かし、学生インターンが参加することでアイデアを具現化。受注による商品・企画開発など、継続的な仕事の展開をめざしました。

課題と展望

組立式のレーザーカッターであったため、テクニカルスタッフのサポートがなく、思考錯誤しながら機材をセットアップ。また、レーザー加工経験者との関わりが薄いため、機材導入時の操作や試作などにおける不明点への対応が困難でした。今後は、インターン学生と障害のあるメンバーで行ったWS のアイデアや企画をもとに、オーダーによる制作受託や商品化の実現を進めていきます。

Topics

01 インターン学生とのアイデアワークショップを開催

九州大学大学院芸術工学研究院にインターンを募り、3人の学生がプロジェクトに参加。工房まるを訪れた学生と、障害のあるメンバーとともに、レーザーカッターを活用するためのアイデアワークショップを実施しました。手を動かしながら考えることで、メンバーの個性的な表現を生かした企画や商品の開発のほかに、障害のある人が仕事に携わることができる治具開発のアイデアも。レーザー加工によって何を生み出せるかなど、充実した意見交換ができました。

02 表現を生かした商品の内製を可能にするレーザーカッターの導入

工房まるの木工スペースの一角に、組立式レーザーカッターを設置しました。週1回ほどの学生の来所に合わせ機材をセットしていましたが、学生もファブ機材を専門的に扱った経験がないため、セッティングの最終調整が難航。設計データ通りにレーザー加工ができない状況になっていました。しかし、プロジェクト事務局のテクニカルスタッフが機材を検証したところ、1つのボルトの緩みが原因と判明。整備後は、思い思いの試作が行えるようになりました。

03 オーダー企画に応える商品開発

2018年に発売した、工房まるのオリジナルカレンダーに描かれたモチーフ「アニマルズ」。このカレンダーがきっかけとなり、動物園と協働でイベントを開催することに。要望あった動物をテーマしたワークショップの一つに、レーザー加工の試作開発の機会として、障害のあるメンバーによるイラストを施した「ぬりえバッジ」の制作体験プログラムを考案。イラストを彫刻したチャームグッズの制作などに取り組みました。

Voice

NPO法人まる 工房まる 職員

学生とのデザインワークショップでは、話が尽きることがなく、どんどんいろんなアイデアが出てきて、「これは一刻も早くレーザーカッターを組み立てないといけない」と思いました。自分たちで組み立ててよかったのは、構造を知ることができたこと。

九州大学大学院芸術工学研究院 教員

九州大学では、社会課題に向き合うクリエイターを育てる取り組みを行っています。今回の活動の目的は、当事者、工房まるのメンバー、学生による、“お互いに学び合い、助け合う”の実践です。そこから新たな関係性を生み出すファーストステップと捉えています。