株式会社フォーオールプロダクト
MINATOMACHI FACTORY
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有限会社山﨑マーク

これまでの取り組み

長崎県・佐世保市にある「MINATOMACHI FACTORY」は、主に観光とアートを結びつけた商品、アートプロダクトなど、さまざまなものづくりをしてきました。デジタル機材の活用と企業連携を進めることで、福祉事業所が、①中ロットオリジナル商品の生産、②手づくりプロダクトからの脱却、③障害のあるメンバーが主役となる働き方ができるようになり、地域産業のなかで商品企画・メーカーとしての役割を担うようになっています。

2019年度の取り組み

長崎県内の観光産業との連携を深め、さまざまな事業でコラボグッズを企画・製造。福岡県をはじめ長崎県以外の地域における観光産業ともつながりを深めていきました。また、観光産業にとどまらず、個人や企業のプロモーショングッズも制作。ほかの福祉事業所とのコラボを進めるべく、スマートペンを使用した遠隔地間のアートワークショップを実施するほか、自分たちの事業所がもつ技術力を提供できる仕組みを整えました。

課題と展望

製造や販売について課題を抱える福祉事業所は多く、「メンバーのアート作品を商品化できない」という声もよく聴きます。そこで、培ってきたものづくりの技術力を、ほかの福祉施設とも共有できる仕組みづくりを促進。また、IoTとFabの技術を活用して全国の福祉事業所をサポートする中規模工場の役割を担います。それぞれが「地域をどのように愛しているか」を表現する手段として、私たちのノウハウを活用してもらうことをめざします。

Topics

01 信頼のおけるメーカーとしての福祉事業所:観光産業との連携

佐世保港開港130周年記念品や、水族館「海きらら」10周年記念品、複合施設「アルカス」20周年記念品、銘菓「ボンパティ」オリジナルグッズなど、長崎県内にある観光資源とのコラボグッズを製作。長崎だけでなく、福岡県内の名所や名物をテキスタイルにする「博多もよう」を手がけて商品化と販売を行い、個人のアーティストとのコラボグッズや企業のプロモーショングッズなども企画・製造しました。

02 スマートペンでつながる遠隔アートワークショップ

MIMATOMACHI FACTORYがこれまで実施してきた、布製品の柄をつくるテキスタイルワークショップを応用・展開しました。参加者が地域の思い出や伝えたいことをモチーフに柄を描き、布小物やハンカチなどを製作。そのプロセスを遠隔で行えるように、スマートペンで描いたアートデータをデジタルミシンで出力するワークショップを開発しました。

03 全国各地の福祉事業所のものづくりをサポート

“テキスタイルのもととなるイラストを描いたら、ワンクリックで、1ヶ月後には店舗が開けるほどの商品ラインナップがそろう”を実現するサービス「ふくらむ」を開発中。MINATOMACHI FACTORYがもつデザインやプリント、縫製の技術をオープンにすることで、ほかの福祉事業所が地域の観光産業や個人とつながり、自立できるようなサポート体制を整えています。

Voice

MINATOMACHI FACTORY 職員

デジタル工作機械によってプロダクトの品質安定、生産性向上につながり、地域企業との連携の機会も増えました。ものづくりを通して、福祉事業所の地域の役割がひとつ増えたと感じています。また、より具体的な実践・研究にはまだ至っていませんが、IoTの活用は福祉において非常に有効だと考えます。情報をIoTによって共有し、AIによって分析、人が活用する。この3つが連携することで実現できる福祉の未来に期待したいです。

有限会社山﨑マーク 代表取締役

私たちは、まちの刺繍屋さんからはじまった、マーク加工をコア事業とする会社です。「making together」をコンセプトにしたアトリエ感覚で楽しめるショップ「Manto」を展開しています。民間企業にとっても、福祉のプレイヤーは魅力的な存在。一方で、ものづくりを協働できる工場を探すのが難しいという声も聞くなか、志の近しい工場を紹介し、福祉に関わる人たちへとフィードバックすることも、私たちの役割のひとつだと考えています。