株式会社フォーオールプロダクト
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MINATOMACHI FACTORY

参加動機・背景

デジタル技術を生かした企画開発や商品製造の仕組みなどの情報をオープンにし、共有ツールとすることで、福祉施設のものづくりのサイクルや品質向上などを変化させることができないかと考えました。また、障害のある人の創作表現に加え、福祉施設が立体造形などの加工や製造技術を得ることで、地域産業のハブのひとつとなるべく、ネットワーク形成をめざしました。

2018年度の取り組み

施設内で取り組んでいるリピートパターンのデザイン制作の仕組みを生かし、デジタル機器を活用した商品バリエーションと生産規模の拡張をめざしました。観光資源となる施設や地元の産業メーカー、福祉施設が交流し、連携をはかるための勉強会を実施。障害のある人の表現の魅力と、各々が持つ加工技術が出会い、新しい仕事を創出するための土壌づくりとなる1年になりました。

課題と展望

開発してきたコンテンツを、いかに仕組みとして普及できるかが課題のひとつ。ほかの福祉施設と情報を共有しメーカーとしての機能を高めていくこと、商品価値や品質を高めブランドとしての商品の認知度を上げていくこと、そして販路を開拓していくことへのアプローチが必要。また、産業メーカーと協働で開発を進めていくにあたり、オリジナルブランドの立ち上げなどを構想中です。

Topics

01 イラストのリピートデザインによる商品化

MINATOMACHI FACTORYでは、障害のあるメンバーが描いたイラストを生かしたデザインパターンを制作。布小物を製造し、地元の商業施設や観光拠点で販売を行ってきました。この商品化のプロセスを活用し、さまざまなイラストを用いたデザインパターンを制作し、テキスタイルにプリントする仕組みづくりのためのワークショップを開催。リピートデザインを、他施設で描かれたイラストを用いて展開することで、自主製品を持たない施設の仕事を開発しました。

02 地元の産業施設にあるファブ機材を活用した商品開発

長崎には、400年以上にわたる歴史を持つ地場産業として、波佐見焼と三川内焼があります。この伝統的な窯業技術と情報が集結した長崎県窯業技術センターのファブ機材を活用し、箸置きを開発。CNCマシンで石膏を切削加工し、量産用の鋳込型を試作。従来は原型モデルをつくって鋳込型を制作していましたが、デジタル技術を活用し、3Dデータをもとに量産型を制作しました。箸置きに図柄を着彩するため、転写シートを印刷するなど、商品化も進めています。

03 地域のなかで協働するための勉強会の開催

県内のメーカーやデザイナー、福祉施設に呼びかけ、分野を超えた新しい企画や商品開発が生まれる土壌づくりのための勉強会を開催。地域にある優れた加工技術や観光資源に携わる人から見て、障害のある人の魅力的な表現や手仕事にどのような可能性が考えられるか、意見交換しました。また、地元産業にはないデジタル技術と手仕事を組み合わせた産業拠点が生まれることで、地元産業と福祉施設間の受発注ができるのでは、という共通イメージが示されました。

Voice

MINATOMACHI FACTORY 職員

軽作業しかできない方と、パソコン作業ができるけどコミュニケーションが難しい方、数の管理はできないけれど言われた目の前の作業は必ず理解できる方、そういった方々が、有能なチームとして機能するきっかけを、デジタル機器を使うなかで見出すことができる。これからもっとその機会が増えていけば、おもしろい働き方、仕事が増えていくのかなと思います。

有限会社山﨑マーク 代表取締役

「新しいものづくりとは何か」を模索するなかで、IoTとFabと福祉の活動を知りました。断片的につながるものづくりから、試作や企画の段階から関わる協業のものづくりへ変化することは、私たち企業にとっても刺激的な体験です。福祉の持っているコンテンツと技術を拡張し、社会に対して新しいアイデアを提示する日が楽しみです。