一般財団法人 たんぽぽの家
Good Job! センター香芝

2017年度の取り組み

伝統工芸とデジタルツールを組み合わせた新しいものづくりの可能性を探り、3Dプリント型を活用した張り子人形シリーズや地元奈良の木材を活用したオリジナル製品などを開発。県内外の福祉施設と製造レシピを共有したネットワーク連携や、研究者やクリエイターを交えた企画開発を行い、福祉分野に限らずネットワークを広げながら、新しい仕事づくりに取り組んでいます。

2018年度の取り組み

デジタルツールを活用したものづくりを継続し、表現の選択肢を広げ、情報発信の手段として新しい分野でのデジタル活用方法を開拓。また、ものづくりにおいても、障害のあるつくり手が作業しやすい道具・什器開発などの環境づくりや、従来の手仕事を生かしつつ独自の製法を開発するなど、品質向上や手法転換を行い、福祉施設発の仕事に社会的価値を据えることをめざしました。

課題と展望

デジタルツールを活用し新しい表現を開発する一方、社会に対して新しい表現をどのように編集・発信していくかというタッチポイントづくりが課題。また、ものづくりにおいても、Good Job!センター内でしか行うことができない独自の製造受託案件が増える一方、1点物と量産製造の間をめざした適量生産のなかで、個人の表現や手仕事が前面に現れてくる機会が少ないと感じています。

Topics

01 IoT技術を舞台表現のなかで生かす

既存の身体表現の枠組みを超え、多様なあり方を社会に問う共創の舞踊劇『だんだんたんぼに夜明かしカエル』。そのなかで、ダンサーの佐久間新さんとIoT 監修の筧康明さんが、カエルと人の距離を人と人との距離感に置き換えて、距離センサーを用いた「カエル養成デバイス」を開発。舞台上で障害のある人とともに身体コミュニケーションを繰り広げました。また、同じ仕組みのデバイスを会場入口にも設置し、来場者とのコミュニケーションをはかりました。

02 新しい手法でアーティストの創作表現を届ける

Neo smartpenは、ペンとして紙に描くことはもちろん、専用のノートとアプリを通じて描かれた内容をデジタルデータに変換できるツール。このダイレクトなデジタル変換の機能を生かすことで、浮かんだアイデアやメモなどを編集したり、人と共有したりすることが可能に。そこで、アーティストの日常のつぶやきやイラストをメールマガジンに載せてカジュアルに配信し、購読者に場所を選ばず気軽に表現やメッセージを楽しんでもらえる仕組みを試行しました。

03 デジタルツールを活用した新しい工芸手法「立体紙すき」

伝統的な紙すき製法をふまえつつ、制作に使用する道具にデザインの視点から改良を加え、半立体形状の紙製品が成形できる「立体紙すき」の製造法を独自に開発。製造工程のなかで発生した課題に対しても、3Dプリントやレーザー加工を組み合わせて、施設内ですみやかに道具を試作し改良を重ねました。また、奈良県内で紙すきに取り組む複数の福祉施設と協働し、製造工程における道具と情報を共有しながら製法を探求、商品製造のワークシェアを行いました。

Voice

Good Job! センター香芝 職員

自ら発信する手段の多様化は、IoTの技術によって可能になると考えています。身体が不自由でキーボードを打つことや、音声入力すら難しい場合でも、センサーを使うことで「伝えたい」「交換したい」ことが実現するかもしれない。「これしかないからね」と我慢を強いられてきた、諦めてきたことに対応できるのではないかと期待しています。

ダカラコソクリエイト 発起人/プロジェクト協働者

さまざまな社会課題のある当事者同士が協働・連携することで新しい価値が生み出せる、ソーシャルデザインの視点が大切だと考えています。3Dプリンタなどのデジタル技術を活用することで、未来感と楽しさのある仕掛けが可能になり、社会との距離や接点が身近になっていくことを期待しています。