一般社団法人
障害者・高齢者3Dプリンタファクトリー
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医療法人社団 福啓会

参加動機・背景

2013 年から「障害者による障害者のための3Dプリンタ活用」を実践。「障害者の方の職業選択の幅を広げたい、仕事を選ぶ自由があってほしい」という想いから、映画をはじめ建築や製品開発などに使用される「3Dモデリング」による仕事づくりの可能性を広げていきました。在宅や時間などの制約を超えて、障害のある人や高齢者が自由で楽しい働き方ができる仕組みをつくっています。

2018年度の取り組み

3Dモデリングが障害のある人や高齢者にとって「楽しい」仕事のひとつとして認知され、3D モデラーが全国で誕生するよう啓発・普及。そして興味を持った人に提供する育成カリキュラムをつくり、モデリングの仕事を受注する仕組みも整えていきました。スキル習得者が収入を得るため、一般のモデリング仕事をしながら、当事者の視点で独自のものを生み出すことをめざしています。

課題と展望

日常生活のアイデアをグッズ化、医療分野のエピテーゼ(ヤケドや事故などの怪我、乳がんや皮膚がんなどの腫瘍、先天的な理由で欠損や変形を生じた身体の一部を補う人工ボディパーツ)制作など、3D モデリングの領域を広げていくこと。また、身体や精神的な理由でセミナーやレクチャーなどに参加しにくい人に向けて、現地で体験できるキャラバンの実施など普及活動も続けていきます。

Topics

01 視覚障害のある人の「星が見たい(触りたい)」を実現する

盲学校の生徒さんの「星が見たい!」というリクエストに応えて、障害のある人が3Dモデラーとして「星座モデリング」に挑戦。それを当事者に触れてもらい、感想やリクエストを受けながら更新していきました。ほかにも歯科分野のCAD/CAM、ハンドメイドの「デコ歯ブラシ」などに応用。福祉グッズや自助具だけではなく、愛好家によるオリジナル小物や、主婦のアイデア発明の試作品などを具現化するための「3Dモデリング代行サービス」のテスト運用も実施。

02 3Dモデリングを障害のある人の仕事にする全国的なネットワークづくり

筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症で困りごとを抱える人、身体にあった道具の工夫を一緒に考案・制作している北海道の国立病院機構八雲病院や、3Dプリンタに関連する企業とともに、障害のある人の3Dモデラーを広げるためのヒアリングや連携を実施。ジュエリーづくりの体験や3Dプリンタの基礎勉強会、展示会など各地での催しを通して、3Dモデリングによってどんなことが仕事として実現できるかを伝えながら、3Dモデラーのありようについて発信しています。

03 共同受注センター「福祉×Fab GATEファクトリー」構想

福祉分野とデジタルのものづくり分野を結ぶ入口をWeb上につくりました。リハビリ、福祉、介護などにおいてアイデアはあるけれど、PCが苦手、多忙過ぎる人は多くいます。それを障害のある人や高齢者が手伝う3D モデリング代行&試作品3Dプリントサービス。ネット接続環境におけるテレワークでどこでも仕事ができ、3D モデリングのスキルアップのためのオンライントレーニングや、技術を習得した人が次の3D モデラーを育成するための仕組みづくりも充実。

Voice

障害者・高齢者3Dプリンタファクトリー 職員

Fabの認知度はまだまだ低いです。需要はあるはずだけれど、「こんなものつくってくれる人いないよな」で諦めてしまう。でも「います」ということで、ニーズを顕在化したい。モデリングができなくてもFabに関わる仕事はできます。総務の仕事もある。15人のうち13人が当事者の会社をつくりたいと思っています。

歯科技工所+福祉事業所 所長

夏休みに田舎の田んぼから聞こえてくるカエルの大合唱で、子どもながらに「宇宙」を感じてドキドキした夜。「星のモデリングとジュエリー勉強会」を通して、「ひょっとしたら、あのドキドキを3Dモデリングで再現し表現できるんじゃないかな?」と思えました。そして、逆説的になりますが、デジタル化が進めば進むほど、職人の勘が価値として見てもらえるのではないかと感じています。